コードバンとは馬の尻部の革のことを指し、お財布にしたときには堅牢なことで知られます。
一頭からわずかな量しかとれないこともあり非常に価値がある皮革になります。希少なものだからこそ価値もしっかりと高いのがコードバンの財布。
今回はコードバンの財布のメンテナンスやトラブルシューティングについてお伝えします。
コードバンの財布を下ろす準備
コードバンの革財布を使い始める時には、コードバンに適した油性のクリームを薄く塗りってから拭きをします。
複数の革が使われている場合にはコードバンは油性クリームを使い、他の部分はそれに適したクリームを使い分けることが大切です。
①内側にクリームを塗ろう
保湿性のある乳化クリームを財布の内側に塗ります。このとき、円を描くように丁寧に塗布してあげるようにしましょう。
また、小銭入れが付いている場合にはフタをあけて内側にもしっかりと塗ってあげると良いです。
②内側のから拭き
クリームが革に浸透して表面のべたつきがおさまったら、乾拭き用の布を使って拭き上げます。
③外側のコードバンに油性クリームを塗ろう
コードバンを使用した外側にコードバンに使える油性クリームを少量とって、円を描くように塗布します。
④外側のから拭き
クリームのべたつきがなくなったら、から拭きをしていきます。傷が付かないように優しく磨くようにすると輝きが出て美しいです。
コードバンの財布の日常のお手入れ
コードバンは染料系塗料を使用しているものは、使うほどに手の脂や汗などで色が変化していきます。これは味わいとして人気のあるポイントですが、正しいメンテナンスができていないと良質な味わいが出てこないことがあります。しっかりと日常のお手入れは入れておきたいところです。
やり方としては、財布の使い始めと同じように油性のクリームを全体に塗りましょう。その後から拭きを行います。
また、財布をポケットに入れて使用している場合には、汗を吸収している可能性が高く皮革の劣化が起こりやすくなっています。かばんに入れている場合には半年に1回でよいですが、ポケットで持ち運びの方は3ヶ月毎のメンテナンスを推奨します。
気にしておくと良いポイント
お財布の外側のコードバンは特に気をつけてメンテナンス入れておく方がよいです。折れ曲がる部分やコバの部分は特に慎重にクリームを入れていきましょう。少量ずつ2~3回に分けて塗るとムラなく塗ることができます。
使用開始したコードバンを休ませる時
長く保管をする場合には、日常のメンテナンス同様にしっかりと処理をしてからしまうようにしましょう。まずはから拭きをして細かな汚れとホコリを落とします。次に不織布を準備して風通しの良い場所に保管しましょう。光が当たると劣化するため絶対に暗所とすること。
また革が乾燥しているときには、油性クリームを塗って表面を保護してから不織布に包むとより安心して保管できます。
コードバンの財布が濡れた時はどうする?
タンニンなめしは濡れることに弱い。すぐに水滴を拭き取るようにしましょう。
皮革製品にとって水は最大の敵といっても良い存在。特にタンニンなめしのものは水分を吸収しやすいので注意しましょう。
濡れた部分が膨らんでしまったり、水滴の部分にシミが残ったりすることもあります。水滴が付いてしまった時はすぐに乾いた布で拭き取っておきましょう。
また、濡れてすぐにクリームで元に戻そうとするのは逆効果になります。乾燥不足のまま油性のクリームを塗ってしまうと水分が革の中にたまってしまい劣化を促進してしまいます。