原皮となる動物の違いによって、レザーも多くの種類があり、革財布の選択肢は広がっています。その中で、昔から安定した人気を持つのがカウレザーです。
カウレザーとは牛革のこと。世界で最も生産量が多く安定した供給ができるため、日本での革財布の約6割はカウレザーなのです。傷が付きにくく、丈夫なことで定評があります。
今回は使いやすさが人気のカウレザーについて解説していきたいと思います。
カウレザーのメリット
カウレザーはとてもきめが細かく、触り心地の良さが魅力。さらに丈夫で長持ちしやすいので、日々使用していくなかで経年変化が楽しめます。
日本では生産が少なく、海外からの輸入に頼らざるを得ないものの、流通量が多いです。そのため、同じく人気の馬の皮革であるコードバンと比べると手ごろな価格で手に入ります。
カウレザーのデメリット
カウレザーは適度に厚みがあり、質感もやや硬いのが特徴です。そのため、軟らかい質感を好む人にはあまりオススメとは言えません。
丈夫な革として耐久性の高いお財布になるので人気がある素材であることは間違いないのですが、一方で乾燥と水に弱いのがデメリットになります。
カウレザーの種類と特徴
一口にカウレザーと言っても、その種類はさまざま。原皮となる牛の月齢や性別などにより、レザーの呼び名が変わります。
種類によって、革の質感にも違いがあるのが特徴なので、ひとつずつ分類を見ていきましょう。
ハラコ
胎児から生後間もない仔牛の革をハラコと言います。薄く短い毛があり、傷が少ないのが特徴です。ハラコは流通量がとても少なく希少なため、知名度があまり高くありません。
その希少性から、牛革の中では最も高級品とされています。
カーフ
生後3ヶ月から6ヶ月までの仔牛の革はカーフと呼ばれています。さらに生後3ヶ月以内の仔牛であれば、ベビーカーフと呼び分けています。
きめが細かく滑らかで、カーフレザーはカウレザーの中でも美しい革財布に仕上がるためにオススメの素材。ハラコ同様にとれる面積が小さいので、こちらも希少性の高い革となります。
キップスキン
生後6ヶ月~1年までの牛の革をキップスキンと言います。カーフスキンと比べると、軟らかさは劣り、きめはやや粗くなります。その分、厚みがでて強度も高くなるのが特徴です。
ステアハイド
ステアハイドは、生後2年以上経過した去勢済みの牡牛の革です。去勢しているため穏やかで、傷が少ないのが特徴。
また、カウレザーのなかでも最も耐久性が高いことで知られ、生産量も多く、財布のみならずさまざまな革製品に使われています。
カウハイド
カウハイドは、出産経験のある生後2年以上の牝牛の革です。キップスキンとステアハイドの中間の厚みで、軟らかい触り心地が特徴です。
その扱いやすさから汎用性が高く、カウレザーと言えばカウハイドというほど、牛革を代表する革となっています。
ブルハイド
去勢をしていない、生後3年以上経過した牡牛の革です。去勢をしていないのでよくケンカをし、傷が多いのが難点。そのうえ厚みがあり強度が高いものの、硬さがある為加工がしづらいのが特徴です。
きめの粗い革ですが、そのワイルドさが一定のファンにウケています。
カウレザーのお手入れ方法
大事な革製品を長く使っていく為には、きちんとしたお手入れが欠かせません。お手入れの頻度は月に1回でも十分。
決して難しくはないので、金運アップの為にお財布を休ませることも兼ねて、中身を全て取り出してやってみましょう!
① クリームを塗る
まずはクリームを塗っていきます。お手入れ用のクリームはさまざまなものがありますが、適度な水分と油分を補ってくれる「デリケートクリーム」がオススメ。艶出しの効果もあり、傷も目立たなくなります。
クリームは乾いた布を使ってほんの少しだけとり、薄く伸ばしていきましょう。
② 乾拭きする
クリームを満遍なく塗ったら、別の布を使って乾拭きしていきます。乾拭きすることで、余分なクリームが取れ、革によく馴染みます。きれいに拭き続けると艶が出てきますよ。
お手入れが苦手な人は、ここまででOK。さらに手をかけていきたい人は、次のステップまで行うと言うことなしですよ。
③ ブラッシングする
余裕があるなら仕上げにブラッシングすると、より美しく仕上がります。
ブラッシングは見た目だけでなく、財布を長持ちさせるためにも有効。天然素材である牛革には、無数の毛穴があり、そこに汚れや水分が溜まります。ブラッシングすることで、シミやカビなどを防いでくれますよ。
革の筋であるシボに入ったクリームも、満遍なく馴染ませることができるのでオススメです。
カウレザーでオススメのメンズ財布はコレ!
カウレザーは加工の違いでさまざまな質感に生まれ変わります。ここでは特にオススメのカウレザーのお財布を紹介しましょう。
COCOMEISTER/CAVALEO SIMBA
カウレザーでカッコいい財布を選ぶなら、一押しはボックスカーフを使用した、ココマイスターのCAVALEO SIMBA(カヴァレオ・シンバ)でしょうね。
ボックスカーフの原料は、生後3~6ヶ月の仔牛。先ほど説明したカーフですね。ボックスカーフというのは、鉱物成分を使って短時間で鞣す技術であるクローム鞣しを施した革のことです。
軟らかすぎず、適度なハリと革らしい質感が感じられます。
価格:53,300円(税込)
まとめ
今回はカウレザーについて解説しました。
カウレザーにはさまざまな種類があるので、好みに合わせて選ぶことができます。どれも特徴がある魅力的な物ばかりなので、それぞれの特徴を理解して自分にピッタリな物を選んでくださいね。